灰色の瞳~例えば異常者だとしたら~
4. 交錯する欲望
───フラッシュバック。
突然、闇は訪れる。
全てを丸呑みにして
息の根を止めようとする。
そのたびに安定剤で
何とか凌いでた。
でも、その薬ももう底をつく。
また、抑えきれなくなる…。
眠れない日々が続くし、
腕のキズが疼きだす。
プツンと糸が切れたかのように
断片的に記憶がとぶ。
ふとした瞬間に記憶が
フラッシュバックして
恐怖に包まれる。
ただそれを永遠に
繰り返してくだけ…。
自分が今、何をしていて
此処に居るのか
全く思い出せないことが
多々起きる。
気付けばまた、
腕の傷が増えていることも
あったし、
流れ落ちる血液を見ながら
笑いが止まらない夜もあった。
こんなあたしは、
周りから見れば完璧な
異常者なんだろう。
薬物依存も、
摂食障害も、
パニック障害も、
好きでなったんじゃないのに。