灰色の瞳~例えば異常者だとしたら~



こんな時の、
全てを見透かすような視線が
一番嫌いだった。



『信じる信じないはアキの勝手さ。
 俺を裏切ったって構わない。
 裏切られるのは慣れてるからな。
 でもそうやって俺たちは繰り返し
 てくんだ。そういう運命だから。』



何もかも悟りきったくらいに
表情は自信に満ち溢れている。
真意はつかないけど、
何を根拠に、郷田はあたしとの
未来を見据えているの…?



急に現実味を増して、
気味が悪くなった。
気持ち悪いというよりも怖い。



何かを隠してる。



あたしに近付いたのも
何かを得るため。
何かを果たすため。
それが何なのか、わかるのは
ずっと先のこと───。










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