灰色の瞳~例えば異常者だとしたら~



広い背中の後に続き、
長い廊下を進んで行く。



通された角の部屋。
扉を開けると、ラックに並べられた
たくさんのレコード。



レコードプレーヤーと
レコードだけが置いてある
シンプルな部屋。
その奥の扉の向こうが
郷田の部屋なのか。



並んだレコードを見ていると
郷田は奥の部屋に消えて行った。



扉が開いたままだったから
そっと中を覗いてみると
書斎らしき部屋が見えた。
椅子を二脚抱えて出て来た郷田。



座れよとばかりに無言で
隣に椅子を置き、
何枚かレコードを出してくれた。



『生前リリースしていたのと
 合わせると全部で17枚だな。』



レコードのジャケ写に視線を
向けるけど、
どれも彼の写真はなく、
どこかの風景画だった。



『これ……』



思わずジャケ写に触れ、声を
出してしまった。










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