灰色の瞳~例えば異常者だとしたら~



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『アキ~?アキ~?ア~キ~??』



家の至る所から郷田のあたしを
呼ぶ声がする。



ランドリールームで
乾燥機から自分の洗濯物を出して
いる最中に勢い良くドアは開く。



『なんだ、此処に居たのか。』



あたしはブラジャーを
手に持ったまま動きが固まる。



『なっ、テメェー!ノックくらい
 しろよ!』



『え?』



すかさず乾いた下着全部、自分の
躰の後ろに隠した。
それに気付いた郷田は後ろに回って
ソレを見ようとする。



『ちょっと!何なの!?』



『隠したの、薬じゃないだろな?』



『はっ!?』



『バッカ!下着だよ!』



身の潔白を証明しようと両手を
前に出すあたし。
ソレを見てニヤリと笑う郷田の顔。
……クソ!ハメられた!












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