灰色の瞳～例えば異常者だとしたら～

精神病棟に居た頃のクセが
出てしまった。
アソコは下着を脱いでまで
調べられたから。
隠すのはいつだって舌の裏
だったけどね。



『ヨシヨシ。素直でいい子だ。』



『気安く触るな！』



『全部見せてくれるとは思わな
　かったけどな…』



そう言いながら口元が緩んでいて
明らかに笑ってる。



『うるさい！うるさい！』



『おっと…！そう怒るなよ。
　もうすでにアキの裸は見ちゃって
　んだから。』



カーッと血が上り、
相手のスネを蹴り、みぞおちを
食らわす……つもりが、
軽やかに交わされ壁側に
追い込まれたのはあたしの方。



『二度も同じ手にはかからないぜ。』



鼻の頭がくっつきそうなほどの
至近距離で嘲笑う。
下唇を噛むしかない。