灰色の瞳~例えば異常者だとしたら~
汗かいて、蒼白い顔で、
目もうつろなくせに
何が大丈夫なのよ。
なんで…ここまでするのよ。
あんたもあたしを置いて逝くの…?
こんなに血を流して、
あたしの目の前で死んでくの…?
『アキ…聞いて…?死んじゃダメなん
だよ…俺が守るから…だから……』
『わかったからもう喋んなって…!』
郷田は無理やり上半身を起こして
壁にもたれた。
『だから…俺から離れるなよ…。』
息を乱しながら優しく微笑む。
『なんで…?なんであたしなの…?』
この目に映る郷田が次第に
歪んでいく。
温かい雫が頬を伝う。
ゆっくりと大きな手のひらが
あたしの頭を撫でた。
『なんでなんだろうな。』
何よソレ。
曖昧な答え。