期間限定王子
「ほんと?
じゃあ遠慮なく」
ニッと笑う日向くん。
と同時にチャイムが鳴った。
「あ、アオイさん戻る?」
「日向くんは?」
「俺は3限から行く」
なにか意味ありげにそう言った。
でもこんな場所に来る理由って
一人になりたいからとか
だと思うし。
現にわたしはそうだったから
長く居ちゃ困るよね
「そう、
わたしはもう行くね」
次体育だし、早彩に怒られる。
ハシゴに足をかけて
ゆっくりと下におりる。