期間限定王子
足が地面に着いて
屋上の扉を開けようとしたとき
「あ、アオイさん!」
真上から
身を乗り出した日向くんがいた。
「?」
よくわからなくて首を傾げると
「俺、お昼休み毎日ここにいるから
もし暇だったら来て!」
ニッと。
日向くんの後ろには青い空。
太陽は強く眩しくて、
日向くんの明るく染められた髪が
キラキラしてて
見たことある、この感じ。
まるで…
「向日葵みたいだね」
「へ?」
「ううん、何でもない
昼休み、時間あったら来るね」
そう言って屋上を後にした。