ひ ろ み
prologue
あの日の海は、とてもきれいでした。

あの日の海は、とてもおだやかでした。

あの日の海は、とても優しい波でした。



そして、


そんな海は、まるであなたのようでした。



覚えてるよ、全部。




はじめて出逢ったときのこと。



あの海で恋をしたこと。



一緒にお祭り行ったときのこと。



他愛もない話で笑いあったときのこと。


けんかして泣いたときのこと。



別れようって本気で思ったときのこと。


でもやっぱり一緒にいたいと思ったときの気持ちを。



全部、ぜーんぶ、あなたとの思い出。



あの日あのときあの場所で、あなたに出逢っていなければ、今のあたしはきっといない。


出逢わなければよかった。



そうやって、後悔もした。


でもね、今は、出逢えてよかったって思う。


悲しくて、いっぱい泣いた。

嬉しくて、いっぱい笑った。


そんな日々があったから、今のあたしはここにある。




あなたに出逢えて幸せでした。

とても幸せでした。


その幸せが、永遠に咲く、華のようになってくれればいい――――…。



ねぇ、知ってる?


華はね、



一度しか咲かないんだよ。




だから――――――――





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