少し背の高いカブトムシ
俺の憧れ。
俺の最優先事項レベル5の人物「沙希」。



わがままな胸の谷間が悩ましく
寝苦しい夜を過ごしている俺の魂のアイコンが


このド変態に告白した?



ありえない。



恐竜が復活して地上を再び歩きまわるぐらい
ありえない。



「沙希ちゃんは僕のまじめなところにひかれたんだって」



これは敗北というものなんだろうか?


しかもワラ人形を作って
夜の森で釘を打ちつけているような奴に敗北だと?


自分のプライド、自己同一性が
音を立てて崩れ去っていく。


未来への羅針盤を失った俺は
幽霊船のようにこの世界を漂っていく運命なのか?
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