- π PI -【BL】

「この俺様の方が美しくて目立ってるだろ?」とまた意味不明なことを言い出す始末。


このナルシスト!


って怒鳴り返してやりたいけど、それを言うだけのことはある。


俺はぐっと言葉を飲み込んで、盛大にため息を吐いた。


「まぁまぁ、そう気を落とすな?あんな女狐やめて俺にしておけよ」


なんて、とんでもないことを言い出して、周は俺の肩に腕を回してくる。


また……


あの柑橘系の心地よい香りが漂ってきて―――


今度はその爽やかな香りが沈んでいた俺の気持ちを温かく包み込んでくれている気がしたんだ。


「とりあえず、今日はうちこいよ。ケータイも取り戻さなきゃだしな♪」


俺は恨みがましく周を睨み上げた。




――――

――


結局、来てしまった。


再三言うが俺にはそっちのケは断じてない。


俺はケータイを取り戻すため……


だけど…


「面白みがなくて悪かったな!」


またも俺は周の前で、ビールを飲みながら荒れていた。




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