- π PI -【BL】


「……あ…お、おはよう……ございます…」


「……はよー。やっと起きたか?」


男は眠そうに瞼を擦って、またごそごそと布団にもぐってしまう。


俺はまた固まった。


何一つ状況が掴めていない。


と、とりあえず服!服着なきゃ……


ってか俺何で裸!?


慌てて広いベッドを降りようとすると、腕を掴まれた。


布団からにゅっと飛び出た腕は、俺よりもしっかりした筋肉が綺麗についていて、太い血管が浮き出ている。


「……な、何?」


「泊めてやったてのに、挨拶もなしにとんずら?随分ひでぇ奴だな」


布団の中でくぐもった低い声が聞こえてきた。


「と、とんずらなんて…そんなつもりはありませんよ。ただ、服……服着ようって思って」


「ああ…そう」


男は小さく頷くと、また腕を引っ込めた。


な、何なんだ!


って言うか腕!この人も何も着ていない!?



益々昨夜に何が起こったのか謎だった。


知りたいけど、知りたくない。


だけどやっぱり知りたくて、俺は恐る恐る布団をめくった。



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