隣の席のヤンキーGiRL

「あんたのことどっかで見たことあるんだけど、どこで?」

「えーっと、ここじゃないですかねぇ?」

 じーっと俺の顔を見ている。目を合わせるのが怖くて俺はそらし続けた。

「ちょっとこっち向けって」

 乱暴な言葉を発しながら、彼女は俺のあごをぐいっと右手で押さえつけた。

 押さえつけられた顔の骨が痛い。なんだって急にこんな仕打ち。

「・・・あ、わかった」

「え?」

「あんた、前にゲーセンにいた弱虫だ」

「うっ」

 そんなこと覚えてるなんて・・・。
< 31 / 98 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop