隣の席のヤンキーGiRL

「りゅ、竜ヶ崎・・・、さん」

 さっきみたいに呼び捨てに出来ない。じっと俺を見ている目は怖かった。

「なんで?」

「え?」

「なんで邪魔した?」

「・・・邪魔なんて」

 邪魔したつもりなんてない。むしろ、危惧していた。そんな必要はなかったみたいだけど。

「もう首突っ込んでくんな。二度と邪魔するなよ」

 睨むように俺を見据えた。手に力が入っているのが見ていて分かった。俺は竜ヶ崎の足を引っ張っただけだったんだ。

「葵」

 低い男の声がして振り返った。
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