隣の席のヤンキーGiRL

「葵、行くよ?」

 理事長が竜ヶ崎を下の名前で呼ぶってことは、やはり叔父なんだろう。

 俺の目の前を通り過ぎ、理事長に何か話しながら校舎の方へと歩いて行った。

 俺はまるで居なかったかのように・・・。

「さっ、小林たち指導室に行くぞ」

「うん」

 先生の後ろを、翔梧と一緒に歩き始めた。

「あ、先生」

 先に歩いて行ったはずの理事長が戻ってきた。

「その子、保健室に先に連れて行ってあげなさい。いいね?」

 俺の方を指差して、理事長はニッコリと笑った。
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