隣の席のヤンキーGiRL

「あのさ」

 勇気を出して、普通に話しかけた。

「何?」

 眉間に皺は寄ってない。

「ありがとう」

 そう言うと彼女は目を丸くした。出会ってから初めての表情だった。

「・・・何?」

「いや、昨日助けてくれたことと、首の傷、理事長に言ってくれたの竜ヶ崎さんだったんだろう?」

 そういうと軽く彼女は舌打ちをした。

「あの糞じじぃ。余計なことを」

 そう言っておでこを押さえていた。

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