『初恋』

…唯side…

私は今井唯。高校1年生の16歳。
聖蘭女子高校の寮に居て今はそこで暮らしてる。
家から片道2時間かかるからこうした。
お父さんは泣きそうになっていたがしかたない。
私は『此処』が良いと小学生の時から決めていた。
なぜなら『此処』はお母さんが卒業した高校だから。
そして『此処』の前でお父さんに合って一目ぼれして
結婚したらしい。(これはお父さんのノロケ話)

「ふわ…」

今日から夏休みで今は体育館。
ギュウギュウな場所で退屈な時間を過ごす。
これ以上の苦痛はない。
(はぁ…早く終わらないかなぁ…)
なんてちょっと顔をゆがませる。
そして数十分が過ぎ終業式が終わる。
夏休みはいったん家に帰ることになって居て
すぐさま寮に戻りにお風呂に入る。

「ふぁ…眠い」

今日はなぜかいつもより早く起きてしまい眠い。

「のぼせちゃう…ソロソロあがろ」

独り言をつぶやきお風呂から出る私。
別に夏休みの予定。と言うのはなくて暇なのだ。
(勉強してる方がまし…)
なんて毒づきながら服を着る。
勿論私服だ。女子はこう言う夏休みや休みの日は嬉し
そうにしている。(私服が切れるから)

「さて…あとは鍵を閉めて出てくだけか…」

めんどくさいがバスのって1時間。
(はぁ…憂鬱)
やはり面倒な私。
がちゃりと鍵を閉め鍵を先生に預ける。
勿論家の中にはお金なんてない。
まぁ有ったとしても先生は盗まない。
昔盗んだ教師は終身刑になったらしい。
(重いから…)
なんてその話しを聞いたときは馬鹿にした。
そんなこんなでバスの中…。
ゆーらゆら揺れるバス。
一番後ろの窓側に座った私はウトウトしていた。
(眠いなぁ…寝すごしちゃうよなぁ…)
なんてギリギリ回る頭で考える。
考えると余計に眠く…

「すぅ…」

寝てしまった。まぁ…大丈夫…かな。
しゅーてんだし…。
そうして1時間後

『次は終点。終点でございます』

とアナウンスがなり。起きた。

「ふぁ…」

欠伸をする私は気がついた。隣に誰かいることを。




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