『初恋』
「たっだいまぁ…」

と聞きなれた声。

「おかえり。お父さん」

お父さんが帰って来たのだ。
それと後ろに…。

「おっじゃまっしまーす」

見覚えがかすかにあるおじさん。

「あぁ…久しぶりだねぇ。まぁまぁ。別嬪さんになってぇ…」
「ほんとだぁ…さすが我が子!」

なんて言い合い中年オヤジたちが盛り上がる
馬鹿かこいつら。
すこし言い出しそうな私を止めたのは…。

「親父?」

私に部屋から出て来た佐久だった。

「おうい。佐久。お前もう来てたか。」
「結構前から待ってたよ」
「ほんとかぁ?実は寝てたりしててなぁ!アハハハッ」

あたってるよ。

「にしても唯~、ほんと母さんに似て来たなぁ?」
「…そう?」

お母さんに似て来たなんて言われたくない。

「…まぁいい。それより部屋綺麗だな」
「あぁ。いつもよりきれいだ」
「あんたがたいつも来てたのかよ」
「どおりで汚い訳ですね」

私と佐久で突っ込む。

「ハハッさすが聖蘭高校に通う二人だ!」
「…え?」
「あ。」
「唯!お前せい蘭女子学園に居んの?!」
「えっと…」

お父さん達のバーカ
まじで嫌だ。

「其れがどうしたの。まったく。さっさと風呂入って寝てよ。」
「冷たいなぁ…唯ぃ~」
「冷たい方が良い。何事にも冷静で居られるから。」
「唯ぃ…」
「おやすみ」

もうお風呂に入ってしまった私は、眠れるのだが…
お昼を抜いてるためお腹が減っていた。
ので財布を持ってコンビニに向かった。
ショートパンツですに―かでぶかっとした半そでの中に
着るタンクトップ。そこそこ都会人的な格好をしている。
私はパン派なので好きなパンを選ぶ。

「おぃ。」

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