『初恋』
「ギャハハハッ」
「おもしれぇ!」

オヤジどもが騒いでいた。
足音をなるべく立てずに部屋に帰ろう。とした時。

「俺の部屋は?」
「知らない」
「おい!あのオヤジたちに聞いて真面目な答えが返ってくると思うのかよ?!」
「無理じゃない?あぁ。不眠症になっちゃえばいいのよ」
「フザケンナ」
「煩い奴。ジャア部屋に入る?」
「…え?」
「なに」
「いや…いいの?」
「寝るだけでしょ。あ。着替えのぞいたら眼つぶし」
「勿論です。」

そうして部屋の中に入れた。
…あ。乃絵から来ていた誘い。
多分行かなかったら毎日メール…?
いや行かなくてもどうせ誘いがびっしり?
あぁ…取りあえず明日着て行く服決めなきゃ。
クローゼットを開ける。
中学3年生に勝った服がズラリ。
まぁそれもそう。あっちに言って勝った服もびっしりだけど
こっちもびっしり出し切れる服ばかり。
ブカ服が今はやり。その流行にのって今日のコーデ。

「なぁ?何の準備してるの?」
「…明日遊園地に行くの」
「誰と?」
「…男の子と」

ちょっとおちょくろうかな。

「誰?!」

やっぱり食いついてきた。

「アハハッうっそぉー」

嘘だった事を笑いながら言う。

「んだよぉー」

お風呂に入ってきたため濡れている髪をくしゃり。
ほのかにいい香りがただよる。

「ふぁ…」

着替えも終わりベットに寝っ転がる。
スイマが…すぐに寝ちゃう…な。
そう夢の中に入っていった…。
< 8 / 12 >

この作品をシェア

pagetop