2度目の恋は、やさしい蜜の味
Prologue

「何してるの?」


少女は目の前で小さな部品を組み立てている男性に向かって問いかけた。


「んーできてからのお楽しみ」


男性は小さなドライバーで器用にねじを締めながら、呟いた。

少女はそんな男性に対して今は何を聞いても無駄みたいだとでもいうように肩を竦めると、窓の外に視線を移した。

窓からはちょっとした庭が見えている。

そこでは、子供からお年寄りまで様々な年齢の人たちが、遊んだり寛いでいたり、おしゃべりをしていたり、それぞれの時間を楽しんでいる。ただ、この建物とパジャマ姿の人が多いというところがどこか愁いを帯びているようにも見せる。



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