2度目の恋は、やさしい蜜の味
悠斗は美月の荷物を車のトランクに入れると、助手席側に回り、ドアを開けて美月に乗るように促した。

後ろのシートには、いつかと同じように由美と佐倉が仲良く座っており、頬を緩めながらその様子を伺っている。

美月は照れくささを感じながら「ありがとうございます」と小さく呟いて車に乗り込んだ。

美月たち3人が挨拶を交わし終えたのとほぼ同時に、悠斗が運転席に座った。


「よし、それじゃあ合宿という名のプチ旅行に出発……とその前に」


悠斗は美月の左肩付近に右手を伸ばすと、そのままスッと離れカチッと音を立てると「それじゃあ、出発」と何事もなかったかのように車を発進させた。




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