2度目の恋は、やさしい蜜の味
美月は一瞬の出来事に放心していた。

正気に戻ると今度は、突然目の前に現れたTシャツから覗く筋張った首元が頭を過ぎり、一気に顔に熱が集まるのを感じた。


「ねぇ、悠斗兄ってああいうことする人だったの!?」

その頃後ろでは、美月同様に驚いている由美が佐倉と小声でやり取りしていた。

「うーん……美月ちゃん以外の女性を助手席に乗せてるところとか見たことないからなぁ」

「そういえば私も乗る時はいつも後ろだ。……あ、よく見ると耳が赤くなってる」


悠斗が照れていたことに気付いた2人は顔を見合わせると前に聞こえないようにクスクスと笑い始めた。



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