2度目の恋は、やさしい蜜の味
「遠慮しておきます」


美月が笑顔を作りながらそう答えると、悠斗はちぇーと言いながら拗ねたフリをした。

悠斗はふざけた感じに振る舞いながら、歩くスピードを先ほどより緩めていた。

由美たちは2人のペースで先を歩いている。


2人の邪魔するのは野暮だよなぁ。


と美月が思っていると、横にいる悠斗が、佐倉に向かって「直輝、俺美月ちゃんとコンビニ寄って帰るから由美のことよろしくな」と伝えた。


同じこと思ってたのかな?


「ちょっと、悠斗、美月に変なことしたらただじゃおかないからね!」


悠斗は苦笑しながら「分かってるよ」と答えた。


心配そうにこちらを見ている由美に、美月は笑顔で手を振って「大丈夫だよ」と声は出さずに口だけ動かした。

街灯と店の明かりの中だが、由美にはどうにか見えたらしく「後でメールする」と言って手を振り返し、美月たちに背を向け佐倉と仲良く夜の街に溶け込んで行った。




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