2度目の恋は、やさしい蜜の味
「ということで、一緒にゆっくり帰ろうか」


悠斗は、先ほどまでのからかうような口調ではなく、聞いていて心地いい声と優しい笑顔を美月に向けていた。


「あの、なんかすみません……藤沢さんも先に帰ってもらって大丈夫ですよ?私の家ここからそんなに遠くないので」

「俺が美月ちゃんと歩きたかったから直輝たちを先に帰らせたんだよ。まぁ、見た目はお子様だけど、い・ち・お・う、女の子なんだから、一人で歩かせるのも危ないしね?」


優しい笑顔から打って変わって、悠斗はニッと悪戯っぽく笑った。


「今、いちおうって強調しましたよね?ま、いいですけど。自覚はしているので」


またお子様扱い……

でも、わたしが気にしないようにわざと言ってるような感じがして悪い気はしなかった。

なんて、自意識過剰かな?


それから2人は、家までの道程を言われたら言い返すと回りが聞いたらちょっと喧嘩しているようにも聞こえる雰囲気で話ながら歩いた。


男の人とこんな風に接することができる日がまたくるなんて思ってもみなかった。


美月は悠斗と一緒にいることに心地良さを感じていた。







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