2度目の恋は、やさしい蜜の味
「藤沢さん!?こんな昼間にこんなところで何してるんですか!?」

「あ、美月ちゃん。会えて良かった。あと少しで仕事に戻らないといけなかったんだよ。君、呼んでくれてありがとう、助かったよ」


悠斗に微笑まれた菜緒子は、頬を赤く染めて「そんな、いいんです」とおしとやかに返事をした。

そんな菜緒子を見て、美月は何かを感じ取り一人苦笑していた。


「藤沢さん、何か急用でもありましたか?」

「そうそう、この間これを店に落として帰ってただろ?あそこの店の店長が知り合いで、連絡貰ったから預かってきたんだよ。必要だろうからすぐに届けようと思ってさ」


悠斗は胸ポケットに手を入れると何かを取り出した。


「あ、学生証……」


店先で呈示を求められて出した時にちゃんとしまえて無かったんだ。


そうあの日、軽く化粧をしていた上に行きつけの店だったにも拘らず、最初に案内してくれたのが新人さんだったためか、美月は身分証の呈示を求められていた。







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