2度目の恋は、やさしい蜜の味

1.

なぜ、わたしはこんなところにいるんだろう……。

今日は、早く家に帰って借りてきていたDVDを一人で堪能する……はずだった。

「じゃあ、早速だけど自己紹介いっちゃいますか」と軽い感じの男性の声と共に、自己紹介が始まった。

テーブルの上には着々と彩り鮮やかに盛り付けられた料理や凍らせたグラスに注がれた生ビールが並び始めている。


今すぐにでも手に取って味わいたいのに……どうやら自己紹介が終わるまでは我慢しなければいけないようだ。


自己紹介始めるのなんて食べ始めてからでもいいのに。


ああ、ビールの泡が消えていく……。