2度目の恋は、やさしい蜜の味
約束の日。

外は晴天である。

梅雨入りが宣言されたが、今年は雨が少ないようだ。


もうすぐ約束の時間か。


美月はどこに行くか聞かされていないため、無難にワンピースにカーディガンを羽織って行くことにした。


何だか落ち着かない。


美月は先ほどから携帯電話を手に取っては画面を確認するという行動を繰り返していた。

何度目かのその行動をしようとした時、ついに電話が鳴り、画面に藤沢悠斗の文字が表示された。


「も、もしもし」

『こんにちは、美月ちゃん。今アパートの前に着いたから、準備が終わったら下まで降りてきて』

「あ、もう出れるんですぐそっちに行きます」

『本当?じゃあ、待ってます』


準備万端ですぐ行きますなんて、まるでこの日を楽しみにしてたみたいじゃない。

もう、私のバカ。


そう思いながらも、美月はすぐにパンプスを履き、部屋を出た。
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