2度目の恋は、やさしい蜜の味


「今日はありがとう」

「いえ……でも、初めての体験と緊張で正直疲れました」


沢井との対決から程なくして、会場を後にした美月と悠斗は着替えもそこそこに車に乗り込んだ。


「本当に助かったよ。思いがけないプレゼントも貰っちゃったしね」


ハンドルを握っている悠斗は、正面を向いたまま美月をからかうような口ぶりで言った。


「あっ、あれは!!だって、人が気にしてることをずけずけと言ってくるから……なんか悔しくなってきたというかなんというか……」


もう、なんでキスなんてしちゃったんだろう……。




悠斗は赤信号で止まると、1人であたふたしている美月に顔を近づけ……


「これでおあいこ、ということで」


そう言って、余裕の笑みを浮かべ、何事もなかったかのようにハンドルを握り直し青信号で車を発進させた。




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