2度目の恋は、やさしい蜜の味
歩道橋にさしかかり、美月は重い身体を引きずるように階段の手すりを握って登っていた。

登り終えてすぐに誰かと肩がぶつかったが、「すみません……」と一言呟いて地面を見つめたままその場を立ち去ろうとした。

ぶつかった相手は立ち去ろうとしている美月の手首を掴み「君、大丈夫?」と優しく声を掛けた。

美月は男の人の声に一瞬大樹の顔が浮かび、咄嗟に腕を振り払い走り出した。

フラフラしてる上に、雨で濡れている階段を駆け下りようとした美月は途中で足を滑らせそのまま転げ落ちた。






何か叫んでる声が聞こえる。

体痛い……

お腹が…………




美月はそのまま気を失ってしまった。






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