2度目の恋は、やさしい蜜の味
あれ?
ここどこだろう……
美月が目を覚ますと見慣れない天井が目に入ってきた。
横に視線を動かすとパイプ椅子に腰掛けて項垂れている自分の母親が見えた。
「お、かあさん……?わたし……」
「美月!気が付いたのね?……よかった…………」
美月は体を起こそうとしたが全身に走る激しい痛みで起きることができなかった。
わたしどうしたんだっけ?
そっか階段落ちちゃったんだ。
お母さん、心配してくれたんだね。
見捨てられてはいなかったんだ。
本当に良かったと泣き腫らした顔で呟く母親を見て美月はそう思った。
目を覚ました美月のところへ、担当の医師が病状を話しに来た。
それは耐え難い事実だった。