2度目の恋は、やさしい蜜の味
4.
あのパーティーの日から2ヶ月が過ぎ、セミの喧騒に包まれる季節となった。
周りが解放的な気分になっていくのとは対称的に、美月の心は更に閉鎖的となっていた。
悠斗から何度か食事の誘いのメールを貰っていた美月だが、多忙を理由に全て断っていた。
この気持ちは育ててはいけない、自分だけ幸せを感じるのは許されない。
美月はそう自分に言い聞かせていた。
自分が人を好きになることでまた誰かを傷つけてしまうのが怖い……
……本当はそれだけじゃない。
本当は……
自分が傷つくのが怖いんだ……。
美月はそう気づいていた。