新人女性騎手の憂鬱。因縁にカタをつける強い意志は風になって走ること。運命をかけたゴールはすぐそこだ!
元々、体重管理は苦手だった。


食う事が最大の楽しみだった俺にとって、毎朝の検量はストレスでしかなかった。


ストレス発散の為に食う。

→比例して体重が増える。

→ムチャな減量。

→またしても溜まるストレス。


悪循環だった。



単純に馬が好きだった。

子供の頃から傍にいたし、世話もした。
だから、競馬学校に入る事に、何の躊躇いもなかった。

ただ、もっとよく考えるべきだった。
馬が好きなだけなら、騎手ではなく厩務員を目指せば良かったのだ。

最初の選択にミスした俺は、ただひたすら騎手になる為のレールを走っていた。


そして、自分の過ちに気付いた時は…



世間から『賞金王』と呼ばれていた。

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