新人女性騎手の憂鬱。因縁にカタをつける強い意志は風になって走ること。運命をかけたゴールはすぐそこだ!
やっぱり…私じゃダメなのかな?
少なくとも、兄と走っていた頃のアイツは、もっと素直だったと思う。
のびのびと…跳ぶように駈けまわっていた。
聞き耳勾玉を使っても、アイツの悩みを訊き出せない私。
私には馬の気持ちなんて分かんないのかもしれない。
やっぱり、騎手なんて向いていないのかも…。
はぁぁ~。
自信の無さと自分への苛立ち。
お兄ちゃんなら良くて、私じゃダメな理由って何??
…っていうか
聞き耳勾玉持ってたって、何の役にも立ってなくない??