新人女性騎手の憂鬱。因縁にカタをつける強い意志は風になって走ること。運命をかけたゴールはすぐそこだ!
◆寝耳に水◆
聞き耳生活を放棄して随分経った頃。
その知らせは突然やって来た。


『小春――っ!』


今、私の耳元で叫んでいるのは私の母。

正確には携帯を通してなんだけども…。


「どーしたの?母ちゃん」


『大変、大変っ!!
あんた、家宝の勾玉様を質屋に入れたね!?』


は…?
質屋??


一体何の事…!?

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