オレはそんな彼女に恋をした ~地獄鬼の襲来!~ [完]
―――――お風呂だけでなく、家もでかいみたいだし部屋も出かかった
きっとそうなんだと想いながら珈衣は昨日あったことを思い出していた
燐が陰陽師だったなんてことに驚いたと考えつつぶくぶくと泡をつくる
今まで家族や顔見知りの同業者意外で自分と同じ秘密を抱えた人に珈衣はあったことなどなかった
いや、一般人に紛れる陰陽師を見つけられたこと事体がキセキなのだ
それもこんな近くで。
―――――でもきっと燐は力ある有名な陰陽師家
自分のような陰陽師を相手にはきっとしてくれないと珈衣は考えた
そして少し悲しくも思う
自分には守ることしか脳のない
それは珈衣が今までの人生で学んだこと
そうしようもない事実でしかなかった
「やめたやめた!もうあがろっ。決めつけるのもよくないし」
一人でそうつぶやきながらなんだか悲しい人に思えると思ったのは心にしまった
珈衣は燐に借りた服に袖を通した
さすがに男物なのでぶかぶかだ
裾と腕を少しめくり珈衣は風呂場を後にした