遅咲きの恋花
後ろを振り返ると、そこには啓一がいた。
 
「よっ、久しぶり」
 
「ひっ久しぶり」
 
あまりに突然のことであたしはどもってしまった。
 
あれ…?
 
「啓一…部活は?それに、啓一の家こっちじゃないよね?」
 
そう…今は、時間的に部活のはずだし、啓一の家は反対方向だ。
 
なぜに…?
 
「あっ、今日部活休みなんだで、ダチの家行こうと思って。」
 
「へぇ〜、そうだったんだ。」
 
この偶然が、嬉しくもあり気まずくもあった。
 
あたし達は、並んで歩いた。
 
あたしは沈黙が気まずくて、聞かなくてもいいことを話題にしてしまった。
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