ごく普通の女子高生が、暴走族のお気に入りになって恋しちゃった話
「純弥に、キスされたの?」

そうだ。海乃莉。ここは正直に言おう!勇気を出すんだ!!

「・・・うん」

「どこに?」

「ほっぺ」

私は、恐る恐る純弥を見た。・・・うっ、やっぱり怖い顔してるよぉ・・・。きっと、怒るよね・・・。

「よかったぁ~」

えっ?

純弥、しゃがんじゃった・・・。

「ほっぺでよかったぁ~・・・・あ、でも、海乃莉のファーストキスは俺がもらうから」

し、しまった!!啓吾君のこと言わなかった・・・。

今度こそ勇気が必要だぁ・・・。

「あ、あのね、そのことなんだけど、昨日、倉庫でされちゃった・・・」

「え?な、なにを?誰、に?」

これを言えってんかい?!

ヒーヒーフー・・・ヒーヒーフー・・・

なんか、力み過ぎて子供が生まれてきそうだよぉ・・・。おしっ、言うぞ。

「ち、ちゅーを、啓吾君にされた・・・」

「・・・・」

沈黙。

「・・・・」

沈黙。

「あ、ゆ、優乃、帰るねっ!?」

「・・・・」

沈黙。

「・・・・」

沈黙。

「俺・・・・啓吾のことぶっ殺してくる」

え?!ウソ?!いきなり?!

純弥は走って行っちゃったから、さすがの私でも追いつけない。まぁ、50メートル9秒台だしね・・・・。

って、んなこと考えてる場合じゃないよっ!早く追いかけないと啓吾君が殺されちゃうかもしれないよっ
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