ごく普通の女子高生が、暴走族のお気に入りになって恋しちゃった話
「可愛いなぁー」

「えぇ?なんか言った?」

おろしてくれてる最中に、なんか言われた。

「ん?海乃莉、可愛いなって言った」

ポッ・・・。

嬉しいけど、お世辞なんて言わなくていいのに。だってさ、私、いままで1回たりとも告白されたことないんだよ?これって、可愛くないってことでしょ?

「ねぇ、お世辞、言わなくていいよ?」

「お世辞?んなの言った覚えねーし」

「だって、私、告白すらされたことないんだよ?」

「あぁ、それは、俺がとめてた」

へー。そうだったんだぁ・・・。

って、はぁ?!

「なんでとめたの?!ヒドイッ!」

「・・・・」

なんで黙ってんのよ!

「ねぇ!!」

「・・・・ったから・・・」

「え?」

「海乃莉が、ほかの人についていっちゃいそうだったから」

きゅん・・・

でもさでもさ、なんで前に言わなかったわけ?言っといたら楽だったんじゃないの?

そうは思ってはいるものの、こんなにかっこいい人がいるもんだから、んなの言葉にできるわきゃないじゃん。

てゆうか、可愛い!!

「じゅ、純弥が言うんだったら、別にいいよっ」

「マジ?ありがと。さすが海乃莉だわ」

ほら。そうやって、ニコニコニコニコ満面の笑みで笑うから許しちゃうんじゃん。

「じゃ、私帰る」

「うん。送ってく」

そとに出ると、すっごく寒かった。

私の体は痙攣(?)状態になってたみたいで・・・

「んなに寒い?」

「うん・・・ちょっと寒い・・・」

まぁ、普通ではありえない寒さなんだけどさ・・・。

「はい」

ん?これは、コート?

「呉南《くれな》のやつかっぱらってきた」

「え?呉南ちゃんの?」

呉南ちゃんは、純弥の妹で、2歳下。
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