私と君が出逢った場所-5年後-
よん


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Dear 彩

この手紙を読んでいるって事は、俺はもうこの世界にいないかな。もしそうだとしたら、ごめんな。ずっと一緒にいるって約束したのに。そんな事もやってられなくて…

でも、俺は彩が好きだ。もう1度生まれ変わったとしても俺は、絶対おまえを好きになると思う。


彩と夏休み階段の角でぶつかってその時はほんとにこれが運命!って思うくらいだった。萌の存在を忘れるくらい。萌と付き合ってる時も彩の事が気になって気になって仕方がなかった。萌もだんだん俺から離れていって…どんどん彩がほしくなっていったんだ。

でも、彩とは高校が別になってなんだか俺も「彩が高校で新しい人と俺には内緒で付き合ってるんじゃないか」とか1人で不安だった
けど、違ったんだ、彩は。
俺はそれに気づかなかった。山下に言われるまでは。でも、もう遅かった。俺は、いろんな女と遊んだ。けど誰とも俺とは合わなかった。萌にも告白された…。あの時はどうかしてたんだよな、俺。けど萌と付き合った。でもやっぱり何か違った。俺には彩が必要なんだ。って気づいた。

ねー。彩。俺の傍に1度でいいから戻ってきてくれよ…。

彩と一緒にいる時間は本当に楽しかった。
これが幸せって言うんだな。って思った。

俺はこの時点ではいつ死ぬか分からない。
いつどこでも分からない。俺はあまり言葉にして「好き」とか言わなかったから…
手紙にしてみたんだ。もし俺の方が早く死んだらってね―――。

俺は…―――好きだったよ、ほんとに。

彩、幸せになれよ。俺はいつもおまえの傍にいるからさ。

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