それは運命のいたずら
「寝坊した奴がよく言うよ」
「ごもっともです…」
令が漕ぐ自転車にあまりにもゆっくり過ぎて私はいつの間にか眠りに入っていた。
* * *
「…いっ」
「…」
「おい!」
「びっびっくりしたぁ。
そんな間近で叫ばないでよ!」
気がつくともう学校に着いていた。
急ぎ足で下駄箱に向かう生徒たちの姿。
「人が一生懸命チャリ漕いでんのにお前はぐうぐう爆睡してさ」
「…すいませんね!
って、痛っ!!」
荷台から下りようとしたら、スカートが引っ掛かってしまって、そのまま地面に落ちた。
「鈍臭…」