それは運命のいたずら
「そっか」
「令と桐谷宙斗はどういう関係?」
生徒指導の先生が早く教室に入るように急かし、生徒たちは慌てて走っているが、私たちは至って普通に歩いていた。
「俺と令は中学からの親友。
てか宙って呼べよ」
「ふーん。
宙も令と同じく女垂らしな訳?」
…一途じゃない奴は
私はすっごく嫌いっ。
とくに令とか、令とか!
「ちげぇよ。
あいつには違った
意味で尊敬するわ」
その言葉を聞いてホッとしている自分がいた。
って…、なに安心しちゃってんだ私。
キンコーンカンコーン
「あっ、遅刻じゃん」
気づいた時には、周りには生徒誰ひとり居なくて、チャイムの音がむなしく鳴っていた。