それは運命のいたずら
遅刻した時って教室入りにくいんだよね…。
そそくさと下駄箱に向かう宙に対し、私はとぼとぼと歩いていた。
「お前…、ちょっとは走れよ」
そう言って、私の腕を無理矢理引っ張り、走るように急かす。
「痛い痛い痛いっ!」
私たちは入室許可書を貰うと、お互いの教室に入った。
ガラッ
教室のドアを開けると、先生へと向けられていた視線は、私へと向けられた。
「楠本っ!
最近たるんでるぞ。
さっさと座れ」
担任は私の右手からバッと、入室許可書を取り上げた。
先生の受け取り方にイラッとしながら渋々と席に着いた。
「お前最近ダメダメだなぁ」
隣の席で、同じ陸上部の百田凛が呆れたように私を見た。
「うるさいっ。
凛には関係ない!」
私は凛を軽く睨んで、そっぽを向く。
あーダメだ。
なんかわかんないけどイライラする。
カルシウム不足かな?
…いや、でも毎日牛乳飲んでるしな。
凛は関係ないのに
八つ当たりしてごめんよ。
とか、心の中で謝ってみる。