それは運命のいたずら
さっきとは全然違う空気になり、人々はざわざわと騒がしくなりはじめた。


胸騒ぎがする。

急に脈拍が速くなる。




行き交う人達の集団を掻き分けながら、その場所へと向かう。




ここからじゃ人が多過ぎて見えない。



「何かあったんですか?」


俺は母親と同じ年代くらいの人に尋ねる。



「それがついさっき、女子高生が車と衝突したらしいのよ」


「そうなんですか」


「彼女、意識不明の重体なんですって…もうそろそろ救急車が来る頃かしら」



…嫌な予感がした。

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