それは運命のいたずら
「すいませんっ!
通してください!」


俺は声を張り上げながら、強引に人込みの中に入っていく。




たくさんの人に囲まれて、道路に横たわっていたのは…

俺の視界に入ってきたのは…


事故に遭った人は…実杏だった。
見間違いだと思いたかった。


だけど…俺が実杏を間違えるわけがない。



寄り添っていくら叫んでも実杏はびくともしない。


雪が僅かに降ってきた。
ぱらぱらと地面に落ちては消えていく。


そっと実杏の頬に手を当てる。


冷たい肌……―




会いたいて、会いたいて


俺は今日も君の面影を探している。

今でもこの雪が降った日の事を忘れない。




―――――………


――――……

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