それは運命のいたずら
ぶつかって来た相手に、一言文句を言ってやろうと体を起こし、立ち上がって、その人を見た瞬間私は言葉を失った。


その人があまりにも、私が大好きな奏哉先輩に似ていたから、思わず息を呑む。

違うと言ったら、身長に髪の毛の色、意地悪そうな瞳。

グレーの瞳があまりにも綺麗で…


さっきから彼を見ても視点は合わない。
私は悔しくて、彼をじっとガン見する。


すると、やっと私の存在に気付いたのか視線が重なった。

目が合ったら合ったで、思わず目を逸らした。



「…そんなに人の顔ガン見しないでくれる?」


彼は、なんとも気だるそうな態度をかもし出しながら言った。


「は?ぶつかって来た人を見るのは当たり前でしょ。なにその偉そうな態度!謝りもしないで」


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