君のとなりで。
「ここまでは解るんだけど、ここからが…」


「あ~そこね…」


『あ~そこね…』とか言いながら、それ以前から解らない。

亜実の役にはたてそうにありません。


「直樹さ、お前頭良すぎるんだよ!」


「そんな事ねぇよ」


廊下から聞こえてきた“直樹”という言葉に思わずビクッとしてしまう。

しかし、それとは別の感情があたしの心を埋め尽くしていた。


「中川先生に聞きに行こうぜ!」


そう。

“中川先生”という単語で心臓がドキドキする。

直樹くんよりも。






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