君のとなりで。
ドキッとした。

振り返らなくても解る。


「先生…」


それから教科書を見ていても頭に入らない。

先生に目がいく。


やっぱり先生の事好きなのかな。
でも…そしたら直樹くんは?

直樹くんに対しての感情は何なの?


「次の試験監督は中川先生なのか~」


亜実はどーでもいいという感じで『そうだね』と言った。


「中川先生だと緩そうだよね…」


「うん…」


「中川先生ってさ…」


「何?中川先生が好きなの?」


亜実の鋭い指摘にビクッとする。


「へっ!?」


「さっきから中川先生ばっか…直樹くんじゃないの?」


「直樹くんだけど…」


亜実はふーんと言って、教科書に目を戻した。
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