さくらシンドローム

「なにそれヤバいじゃん!せっかくの夏が!俺の夏が!」

「そー。ちゃんと勉強しないと。」

テストまであと一週間。赤点ひとつも取らないなんてできるのかよ。この俺が。

「無理だああ!」

「桐生、諦めるのはまだ早いぞ。今日から生徒会の集中授業が始まるから。」

「へ?」

「毎回、テスト前になったらあるんだよ。放課後、生徒会が主体になってテスト直前の集中授業開いてくれるの。それを真面目に受けてたら、確実に赤点は免れる。」

「なにそれ!絶対行く!」

「あー、でも今年は特に人数多いだろうな。」

「なんで。」

「凜ちゃんが直々に勉強教えてくれるとなったら、絶対赤点取らないような優秀なやつらも参加するから。」

「…」

< 102 / 232 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop