さくらシンドローム
今日の集中授業は英語。意味わっかんねえ。
「桐生くん、白紙じゃないですか。」
「げ。」
凜太郎が俺のプリントを覗き込んできた。
「凜ちゃんー。この子バカだから教えてあげてよ。」
「バカとはなんだごるあ!」
「…このままでは、何年ぶりかに赤点の人が出てしまいますね。」
「うるせえよ。…ってか、何年ぶりかって、何年も赤点出てねえの?」
「はい。生徒会の集中授業を始めてからはひとりも赤点者は出てないと聞いています。」
「すげえな。」
「ええ。だから桐生くんに赤点を取ってもらうと困るんですよね。」
目の奥が笑ってないぞ凜太郎。