さくらシンドローム

幸雄は気合いを入れてドアを勢いよく開けた。

一気に静かになる教室。

「…ねえ、あの人、今朝校門にいた人じゃない?」

「…多分。めっちゃ睨んでたよね。」

生徒はザワザワし始めた。

「さ、桐生君、自己紹介してくれるかな。」

幸雄は笑顔を作る。

それを見てホッとするクラスメートたち。

「桐生幸雄です。今日からよろしくお願いしまっしゅ…」

噛んでしまった。大事なところで噛んでしまった。

真っ赤になる幸雄。

それを見て生徒たちは爆笑した。

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